イーストヴィレッジのローベジタリアン(Raw Vegetarian)のレストランでバイトをした後、折りたたみ式自転車プージョー(Peugeot)で、マリーナに留まっている家=ボートへ帰る途中のできごと。
自転車の後ろの荷物を直そうと自転車を止め、ふと見上げると、ガソリンスタンドに白っぽいワンボックスカーが止まっている。その隣にグレーのスーツですっくと立っている姿が目に飛び込んでくる。
なんと、松井秀喜選手ではないか!マネージャーらしき人も車の外に立っている。
驚いていた次の瞬間、松井選手自ら、ホースを引っ張り、車にガソリンを入れ始めた。わお。
その頃、ちょうど「地球の歩き方・ニューヨーク」のイラストを連載していて、松井選手を描いた後だった。とても下手だったので、申し訳なかったが、彼に報告した。お礼を言ってくれる。
テレビで見るより背が高い。当たり前か。
背が高いのに、圧迫感はない。包み込まれるような母親のようなエナジーだ。
白いマシュマロのような。
握手をする。
これは、ゴジラの手ではない。とてもやわらかく、あたたかく、繊細な手だ。バッドでできるであろうタコも感じない。
こんなにやわらかい手で、あんなに力強いホームランを何本も打てるのか?
彼の物腰はとてもソフトだ。朝靄みたいなふわっとして明るい空気をまとっている。口調も綺麗で丁寧で、ゴジラの「ガォー!」と言うイメージとは程遠い。ゴジラの「ゴ」の字も感じさせない。とても素敵な紳士的なひと。
「メディアの情報を鵜呑みにせず、できればすべてを体験したい。」
「勝手なイメージを描かず、実際の体験をもとに考えを述べたい。」
今回のゴジラとの思わぬ遭遇で、そう感じたのであった。まる。
Mihoko Love 🦋
Photo credit: Godzilla poster 2016